岸田政権の正念場

多くの新聞で岸田政権の支持率の急激な低下について報告されています。
多くの新聞と記載したのは、この手のアンケートは新聞社により手法が異なり、結果に差があるときがあるためです。
今回の結果については、どこの新聞社についても概ね数値が一致しています。つまり、岸田政権の支持率は低下傾向にあるのは間違いないようです。

自民党が圧勝した2021年10月の衆議院選挙後、管政権の後を受け誕生したのが岸田政権です。
管政権には多くの功績がありますが、一部のマスコミはそれら功績には一切触れず批判ばかり報道していました。それに連動する形で市民連合、共産党と手を組んだ立憲民主党を中心とした野党連合とその支持層によるSNSでの批判運動を繰り広げていました。その批判活動に押される形で管政権は続投を否定しました。

岸田政権になって目立った動きは無かったように感じます。むしろ、無難に政策をこなしているように感じました。
ただ、マスコミでも報じられていましたが、岸田政権の特徴を『メディアの意見を意識した政権運営』となっているように感じるのも事実です。
問題は、この場合の意見は声の大きな人の意見であり、実際の世論とは乖離しているのではないかと感じることです。

岸田政権も管政権の降板に影響したかもしれないSNSや一部の報道内容に偏向があったことを理解しているはずです。
事実、先の衆議院・参議院の選挙結果は、多くのSNSや報道と逆の結果になっています。
政権運営にSNSや一部の報道で繰り返し叫ばれる意見を重視することは、声の大きい人の意見しか聞こえなくなる危険性があります。
極論を言うと、このような姿勢は掲げた政策を否定し全く逆の政策を行う危険性すらある上、多くの人が反対している事案をも支持する危険性があります。

多様性や自由な言論が認められる国家において、いろんな意見が媒体を通して出てくることは自然のことです。
ただ、賛成者があえて投稿することは少なく、反対している人が自身の考えを述べ支持を集めるために投稿する方が圧倒的に多くなります。
SNSや報道を気にしながら政権運営を無難にこなそうとすることは、結局どっちつかずの政権と見なされているのでは無いでしょうか?

選挙で選ばれた政党の政権として掲げた政策を実現するためのマイルストーンを明確にすべきです。
そのなかで時々刻々と変わる情勢の変動要因を考慮した形で環境変数を定め、そのマイルストーンを修正する必要があります。
さらに政権の技量が最も試される新たに発生する事象へ対応しながら、全体のマイルストーンに沿った政策運営が重要となります。

岸田政権が現在の状況から変わることができないのであれば、思い切って退陣も考えるべきです。
もう、後任に政権運営を任せてもいいのではないでしょうか。

以上
2023/01/08