石破首相は自民党の刺客ではなく、日本の刺客なのか? (その1)

一部のマスコミにより誤解している人もいるかも知れませんが、自民党こそ多様性に富んだ人員を擁する政党です。
理解できないのは、自民党に多様性を認めろと主張している政党の中には、自党と異なる意見を完全否定する政党があることです・・・
これは、多様性を押しつけることが差別に繋がる良い例ですね。

石破総理は、自民党の中では相当左に位置する人だと感じています。同じ考えの人もいるのではないでしょうか?
そのため、打ち出す政策が日本国民のためになっているのか疑問に思うこともが多々あります。
石破総理が総理になる前、当時の総理が批判されると、そのことについて自身の考え方と異なると発言することもありました。(私には、ノイジーマジョリティーの意見を意識しているように感じましたが・・)
そういったこともあり、石破総理に期待する人もいたと思います。

現在の石破総理を見ていると、大きな声の主張と利権が政策に影響を与えているのではないかと思ってしまうことがあります。
令和の時代、税金をバブルの如し使える時代ではありません。
もちろん、政治は民間企業とは異なり、全ての国民に同一のサービスを提供する必要があります。
しかし、増税を語る前に、徹底的に無駄を省くことをすべきでは無いでしょう?

主食である米問題

お米は、日本人にとって大切な主食です。
今年、お米がスーパーの棚から消えるという事態が発生しました。また、お米を販売していたとしても、かなり高価格(今までの約二倍)となっています。
このことについて幾つか記事を出ていますが、『JA農協と農林水産省の大罪』(出典:RIETI)では、その原因として減反政策とインバンドによる需要の増加を挙げています。例えば『減反はJA農協の発展の基礎』(出典:PRESIDENT Online)であると指摘し、さらに『減反で米価を上げて兼業農家を維持したこととJAが銀行業と他の事業を兼業できる日本で唯一の法人であることとが、絶妙に絡み合って、JAの発展をもたらした』(出典:PRESIDENT Online)と指摘しています。さらに、この傾向は今年も続くと予想しています。

石破総理を含め政治家は、自分達は食事に困ることはないから大きな問題として捉えていないのではないでしょうか?
それとも農業利権を守るためには仕方ないと思っているのでしょうか?
大切な主食が食べられなくなることこそ、政府の怠慢と言えるでしょう。
そして、この主食問題に対して、国は短期的措置と長期的措置の両方を速やかに行うべきです。

短期的措置として考えられるのは、政府備蓄米の放出や、転売目的の買い占めに対する対応などが有ります。今回の政府備蓄米の放出について十分だと思いますか?
例えば、政府備蓄米の放出までに要した時間や放出量など、緊迫感のない対処だと感じる人が多いと思います。次に、転売目的での買い占めをする人達(団体)への対応です。
なぜ、立法府として法令や規制により厳しい対策を実施しないのでしょうか?もう、性善説では対応出来ないことぐらい理解できるはずです。それとも、法令や規制による対策は、何か都合が悪いことでもあるのでしょうか?

この問題を繰り返さないための長期的措置も必要です。
石破政権には、日本人の大切な主食を守るための長期的な対策を講じようとする姿勢が全く見えません。
政争の具として扱われた代表的な減反ですが、そろそろ考え直す時期がきているのでは無いでしょうか?
例えば、”国内への確実な流通”と”政府備蓄米へ協力”を確約する農業法人企業の新規参入の促進などです。
さらに、米の輸入の完全な自由化(ミニマムアクセスの完全な撤廃)を検討すべきでは無いでしょうか?
農家を守る行為と言いながら、結果として政府(農林水産省)肝いりでJA農協の独占状態となっていることが大問題です。
輸入の自由化を認め、かつ、日本国内で自給率100%を保つことが出来れば、このような事態にはならなかったのでは無いでしょうか?

実際に対策を実施するには影響の範囲を考慮する必要もあり、ここで記載するほど単純では無いことは理解しています。
ただ、その影響範囲まで検討した上で実現できるのは政府だけではないでしょうか?
国民が無策な政府と感じるだけなら自民党がいち野党になるだけですが、この問題は和食文化の存亡にすら関わる問題です。

しかし、米の値段が一向に下がらない現在の状況においても、石破内閣の江藤農相は、ミニマムアクセスの拡大に反対を表明し、政府備蓄米の9割を落札したとされるJA農協は、低い米の出荷率を続けています。
この動きは、政府とJA農協が強く連携していると国民に強く印象づけています。つまり現政権には、国民を切り捨てるほど大きな利権あるのではと思わせているのです。

否定するなら、直ぐ対応すべきです。


参考:NHK(2025/04/13)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250324/k10014758561000.html

参考:PRESIDENT Online(205/04/13)
https://president.jp/articles/-/85486

参考:RIETI(2025/04/12)
https://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/yamashita/149.html

参考:NHK(2025/04/13)
https://www.nhk.or.jp/mito/lreport/articles/300/217/17

参考:読売新聞オンライン(2025/04/23)
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20250426-OYT1T50031

参考:日本経済新聞(2025/04/25)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA183W10Y5A410C2000000


以上
2025/04/26