非常時のペットの扱いについて

今年は元旦から、ショッキングなニュースが相次ぎました。
元旦の令和6年能登半島地震に続いて、2日には羽田空港でのJAL便と海上保安庁の航空機の衝突事故が発生しました。

航空機でもペットを乗せることができます。但し、基本的にペットは専用の場所で保管することになります。今回の羽田空港の事故では、JAL機に2匹のペットが乗っていたそうです。
残念ながら、この2匹のペットを救うことができなかったとのことです。
悲しいことですが、今回の火災の状況を考えると、ペットを救い出すのは非常に難しかったのかもしれません。

航空会社は、高高度(極寒)を飛行する乗り物を扱っているため、ペットの保管場所の温度環境には気を遣っていると信じています。
それでも、ペットと暮らしている身としては、ペット同伴の旅路に航空機を選択することは考えられません。

産経新聞の記事では、『ペットは、貨物室じゃなく客室に乗せられるようにしてください』との声があったとのことです。
ペットの扱いについては、ペットの多様化、動物が苦手な人、動物アレルギーがある人、など大きな課題があることも承知しています。
それでも私達は、ペットの搭乗を許すのであれば、客室に乗せるべきだと考える一人です。

参考までに、日本でペットを客室で保管できる航空会社があるのか調べてみたところ、一社ありました。
もちろん、座席を占有するため費用がかかります。(人間より高価となるようです)
但し、ペットを同伴する場合の同意書に下記のような記述がありました。


また、脱出の際にはペットは機内に置いて行かなくてはなりません。


非常時には、避難経路の迅速性と安全性を最優先するため、手荷物を持たないよう指示しています。
命の無い手荷物については理解できまが、ペットは感情を持った生命です。
人間と動物を一緒に扱うなど非常識だと、怒る人がいると思います。
また、航空機の緊急避難を必要とするケースは非常に希であり、このサービスに魅力を感じる人もいると思います。

考慮して欲しいのは、ペットは心が通う家族になるのです。そして、時としてその家族の生きる力にもなります。大切なペットが隣の座席にいて、いくら非常時とはいえ、家族であるペットを見殺しにできるとは思えません。
つまり私達には、現在のサービスのペットの扱いは、どうしても中途半端だと感じてしまいます。

世界の航空会社の状況を鑑みても、一つの航空会社だけで状況を変えるには限界がある議題です。
そのため、はかない希望かも知れませんが、下記について検討してもらいたいと思っています。
(1) 世界の主たる航空会社が主催となり、ペットを家族として考えるシンポジウムを開催する。
(2) 大手航空会社が率先して、ペットを人と同じように扱う搭乗サービスを開始する。
もちろん、扱える動物の種類やサイズなど一定の制限ができることは仕方ないと思います。

次に考える問題点は、災害時のペットの扱いです。
日本は地理的にも非常に災害の多い地域です。
しかし、災害発生時にペットと一緒に非難できる避難所があまり存在しません。
災害時は、人のケアだけでも非常に困難なため、動物のケアにまで手が回らないというのが現実だと思います。さらに、この議論では、ペットの多様化、動物が苦手な人、動物アレルギーがある人、避難場所や時期、そして救援物資など検討すべき課題が山積します。
このようなことから、『ペットと避難できる』についての議論は、簡単に解決策を見いだすことができないと考えています。

しかし、現実を直視した上での議論も必要で無いでしょうか?
近年、ペットの虐待や命の議論が活発になってきているのも事実です。
理解して欲しいのは、ペットは家族に癒やしや元気を与える家族の一員なんです。
災害時など、非常に大きなストレスがかかる時ほど、ペットの存在が心身の苦痛を軽減してくれます。

そのため、まずは、ペットも安全なところへ避難させることからダと思います。
被害受けた場所に、ペットを放置せざる終えない状況だけでも改善して欲しいです。
例えば、役所の庭に簡易のペット避難所の設置、保健所の協力、民間の協力など、アイデアは有るはずです。

現在、ペットをいる家庭が全世帯の約10%ど言われており、ペットの存在を無視することができなくなっています。
国や自治体の議員さん、是非議題にしてください。


参考:産経新聞(2024/01/04)
https://www.sankei.com/article/20240104-3A3MSVCPEZCBDA4XMVOPXVNSGI/

参考:一般社団法人ペットフード協会(2022年(令和4年)全国犬猫飼育実態調査 結果)
https://petfood.or.jp/pdf/data/2024/3.pdf


以上
2024/01/04 – 2025/12/04